DREAM MAN

理想の自分を目指して・・・

【体験談】マンション漏水事故 床下浸水の原因や賠償責任について

time 2017/01/19

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突然の連絡

 
とある金曜日の夕方、仕事も終わりに近づきリラックスしていたところ、見知らぬ電話番号から着信があった。

いつものように一旦スルーし、着信が切れた後すぐにその番号をネットで検索したところ、自宅マンションの管理会社の電話番号であることが分かった。

「何だろう?」と思いながらすぐに折り返し電話をかけると、非常に丁寧な感じの男性が出て

「私○○○のMと申します。お忙しいところ大変申し訳ありません。実は下の階の方から漏水の苦情が来ていて、おそらく301か302号室のどちらかに原因があると思われます。何か心当たりはありませんか?」

と言われた。

 
すぐにピンと来た。

「はい、心当たりがあります・・・半年前から洗濯機が水漏れしていてそれが原因かもしれません」

とりあえず、マンションの施工会社であるT工務店の担当者を連れて現場検証をしたいとのことで、私の都合を訊かれる。T工務店の担当者の都合上すぐに来ることができないらしく、翌週金曜日の昼過ぎに来ることになった。

私は気になる質問をした。

「損害の程度はどんな感じでしょうか?賠償問題になりますよね」

「私もまだ状況を確認していないので損害の程度は分かりません。賠償負担は漏水の原因が共有部分にあれば組合の保険で何とかなりますが・・・専有部分に原因があれば個人の賠償になると思います。とりあえず実際に状況を確認してみないことには何とも・・・」

Mさんはとても優しい方なのだろう。非常に気をつかって話してくれた。それゆえに、私の置かれた状況がやばいことを認識させられた。

電話の後、頭の中は損害賠償のことで一杯だった。よりによって資金繰りが厳しいこの時期に・・・

正に晴天の霹靂だった。

漏水調査

 
自宅に戻りすぐに洗濯機(ドラム式乾燥機付)を見に行くと、右下の角から水滴がポタポタと床に落ちていた。

この症状は半年程前から続いていて、洗濯機用の水道の元栓が開いていると、洗濯機を稼働しているか否かにかかわらず止まらなかった。

なので、洗濯機を使った後はいつも元栓を締めるようにしていたが、この日はたまたま閉め忘れていた。

元栓を締めた後、いつもの様に雑巾で洗濯機下のフローリングの水を拭く。この半年間、洗濯機を使用するたびにこれを繰り返してきた。

修理を頼まなかったのは何より費用の問題だった。以前モーターを丸ごと交換して4万円以上請求されたことがあり、トラウマになっていた。

毎回洗濯はまともにできていたので、お金に余裕ができて修理を依頼するまでは、水漏れを毎回こまめに拭けばいい、と思っていた。フローリングが徐々に劣化していくのは気になっていたが・・・

洗濯機は、1.5畳ほどの脱衣所を挟んでシャワールームの対面に設置されている。その脱衣所の床の真ん中には正方形の床下点検口があり、その下には様々な配管がなされていた。

もう3年近くこの蓋を開けていなかった。

洗濯機の水漏れが下の階に達したとしたら、この蓋の下に水が流れているはずだ。

私は恐る恐るフタを開けた。

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漏水の原因特定

 
水が10cm近く貯まっていた。

「マジか・・・」

スマホの電灯アプリを片手に頭を逆さにして中を覗くと、その範囲は床下の広範囲に及んでいた。

いつから貯まっていたのだろう。洗濯機の水漏れが始まったのは半年位前だった。

以来ずっと床上だけの問題だと思っていたが、長い間に漏れ出た水がフローリングを侵食し床下にまで達してしまった。床下の貯水量は肌感で風呂の水5杯分はありそうだった。

 

さてどうやって排水するか。何かでかき出すしかない。

水深が10cm程度なので、風呂の洗面器では地面にあたってしまうので水をかき出しづらい。

結局、いつも水を飲むのに使っていたプラスチック製の大きめのタンブラーが最も手頃だという結論に至る。

 

コップを片手に床下点検口の前にあぐらをかいて座る。すぐ右のシャワールームのドアは開けておく。

床下に腕をつっこみ、すくった水をシャワールームへ投げ捨てる作業を開始した。

 

何度も何度も黙々と、無心で同じ作業を繰り返す。これが意外と楽しかった。

小さな一歩一歩を積み重ねてゴールに近づいていく感覚は、コツコツ型の私にとって快感であった。

1時間後には水深が5cmを切るようになり、コップの縁が床下の地面に当たるようになった。

明らかにゴールが近づいていることが分かり、やる気が更にアップした。

 

やがて水深が2cmを切るくらいになると、コップでは水がほとんどすくえなくなった。

そこで今度は、雑巾に水を吸わせて手元においた洗面器に絞り出し、洗面器の水が貯まったらそれをシャワールームに投げ捨てる作業に切り替えた。これがまた楽しかった。

 

雑巾を絞りながらふと思った。

「これだけ水を溜めていたということは、下の階に漏れた水の量はたかが知れているのではないだろうか?」

少し気が楽になる。

 

深夜2時を過ぎに、水をすべて出しきった。

床下浸水を発見してから4時間以上が経っていた。

現実逃避

 
翌日10時頃、インターフォンの音で目が覚めた。

モニターを見ると画面に何も映っていない。ということは、1階の玄関ではなく私の部屋の前に直接誰かが来ている。

「はい?」

インターフォン越しに出ると

「マンションの管理人の○○○ですけどね。共有部分の床が水浸しになっているんですが心当たりはないですかね?」

あるんだろ?という言い方でほとんど喧嘩腰だった。鬼の首をとったかのように。

「あ・・・いや・・・あるんですけど、とりあえず今外に出ますので」

思わず動揺して声が上ずる。

 

ドアを開けると初めて見る顔だった。前の管理人もやや負のオーラを出していたが、この管理人はやばいと思った。死んだ魚のような目をしていた。

水浸しになったという現場は、床とはいっても配管等が収納されている扉の中の一段下がった床だった。そこは確かに私の部屋の漏水箇所の近くだった。

とりあえず漏水の原因を特定して対処したことを伝えると、管理人は

「じゃあもう大丈夫なんですね」

と捨てぜりふを吐いて帰っていった。

 

最近、共同のゴミ捨て場で明らかにこの管理人への嫌がらせを意図したゴミの捨て方が続いていて、注意の張り紙がなされるほど問題となっていたが、そういうことだったのかと理解した。

この管理人に対する一部住民の反発と、それに対する管理人の憎悪がループしていて、その流れ弾が私に当たった感じだった。

私は非常に常識的人間で、ゴミもしっかり気を使って捨てているのだが、管理人からすればマンションの住民はすべて敵に見えるのかもしれない。

 

週末はいつも自己啓発等の勉強をして過ごしていたが、今週はそれどころではなかった。

来週の業者の立会いにおいて何らかの結論がでるまでは、この現実から目を反らしたかった。

とにかく一時的にでも現実逃避したい。現実逃避をするのに手っ取り早いのは、海外ドラマをぶっ通しで観ることだと思いついた。

海外ドラマといえば10年前に「プリズン・ブレイク」しか観たことがなかったが、そのハマりっぷりを覚えていた。あれくらいハマれれば週末の二日間は現実を忘れることができる。

 

これを機に、今更ながらこれまで何となく敬遠してきた「24」を観ることにした。

 

漏水の程度が判明

 
月曜の明け方まで丸2日間、ほとんど寝食をわすれて「24」の1シーズンをぶっ通しで観た。確かに面白かった。

十分に現実逃避をした後、ベッドになだれ込む。

 

会社があるので3時間だけ寝てすぐに家を出た。

朝はいつもエレベーターを使わず非常階段で下まで降りているが、この日は2階の非常出口付近で、二階に入居する会社の社員らしき男性にバッタリ会った。タバコ休憩中のようだった。

とにかく事故の程度が気になっていた私は、勇気を出して話しかけることにした。

「すいません・・・私この上に住んでいる者ですが、この度漏水事故を起こしてしまいご迷惑をおかけしております・・・漏水はどんな感じでしょうか?」

「ああ・・はいはい。ちょっとここなんだけどさ」

と彼はドアを開けて現場を見せてくれた。

非常口からすぐ入ったところに給湯室があって、その上にある天井点検口のおよそ40cm四方の壁紙がべろ~んと下に垂れ下がっていた。

「最近この隙間から水がポタポタ落ちてきてさ。雨の日に多いから俺はてっきり雨水かと思ってたんだけど」

「実はうちの洗濯機が水漏れを起こしていまして・・・」

「なんだ洗濯機が原因だったんだ。うん・・・原因が分かればいいよ」

「本当に申し訳ありませんでした・・・」

やった!超いい人・・・

あまりにもホッとして、駅に向かう途中思わずニヤニヤしてしまった。

 

良いことは連鎖するのか、この日、しばらく連絡が途絶えていた好みの女性から久しぶりに連絡が来た。

現場検証

 
現場検証の日は有給休暇をとり、朝から緊張した面持ちで彼らの来訪を待った。

約束通りの12時にインターフォンが鳴った。

玄関のドアを開けると、男性が3人立っていた。

見た目の雰囲気から、メガネをかけていて背が高い温和そうな方はマンション管理会社のMさんであり、その隣の中肉中背の職人っぽい方はT工務店の担当者であることが分かった。

もう一人、奥にいて気難しそうで少し怒っているように見える人は誰だろう?

とりあえず真っ先に

「ご迷惑をおかけしております・・・」

と、深々と腰を折って謝った。

その後手前の二人だけが現場検証のため部屋に入ることになった。

洗濯機の前まで案内し、床下点検口を開ける。

「この下に水が10cm近く溜まってました。それでコップや雑巾を使い、数時間かけて水をかき出しました」

Mさんがスマホのカメラで床下の写真を撮る。その間、彼の足にアメショーの雄猫がまとわりついた。

「かわいいですね。うちは犬を飼っているんですよ。匂いでもするんですかね」

T工務店の担当者と終始無口だった。

Mさんが写真を取り終わったあと、二人は意味深にうなずきあった。

「それではまた後日ご連絡しますので。今回は組合の保険を使っていただければと思います」

「本当ですかぁ?」

完全に私に非があるのになぜだろう?

 

ところがその数分後、思わぬ落とし穴が待っていた。

二人を玄関で送り出す際、先程のしかめっ面の男性が外で待っていて、

「私、下の会社の者なんですが・・・」

と挨拶をしてきた。

なるほど、だからあの表情か。

「本当に申し訳ありません・・・」

とにかく平身低頭して謝るに限る。

「今回は組合の保険を使っていただこうと思っています」

Mさんがフォローを入れてくれた。ところが

「ご自分の保険は使われないんですか?」

と突っ込まれた。

自分の蒔いた種だろ、ということだろうか。

 

後でマンション購入時に強制加入させられた火災保険の会社に問い合わせてみたところ、漏水事故の賠償保険は含まれていないとのことだった。

「通常は含まれていないと思います。ただ自動車保険とかについている賠償保険が使える場合があります」

と事故発生当初にMさんから聞いていた。

車は持っていないので結局、今回の損害賠償を私は基本的に自腹で払う必要があった。

そこをなぜかMさんがフォローしようとしてくれている。

 

私の部屋の現場検証が終わった後、彼らは漏水事故現場の検証を行ったようだ。

後で電話でMさんと話したところ、

「漏水の本当の被害は時間が経ってから明らかになることがあるので、業者への修理費用の見積もりは1ヶ月後に出すようです」

「費用は先程一緒に伺ったT工務店の方の予想では、おそらく片手で収まるだろうとのことでした」

「とりあえずまた何かありましたらご連絡します。組合の保険が使えるかどうかは私の方で調べておきます」

後日談

 
あれから丸3ヶ月経ったが、未だMさんから連絡がない。

 

洗濯機は事故発生の2週間後に修理を頼んだ。

ある部品から直径0.1mm位の水が吹き出していた。

これが何ヶ月も続いた結果、床下がプール状態となったわけだ。

部品交換にかかった費用は14,000円だった。

 

2017/1/30

汐留シティーセンターで喜多方ラーメンを食べていたら、マンション管理会社の番号から着信あり。

とうとう来た・・・

「Mです。長らくお待たせしてすいません。漏水事故の賠償については私が組合の保険を使う手続きを進めています。明日、署名と捺印だけお願いしたので、お会いできますか?」

とのこと。

一つの試練が終わった。

 

 

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